しっかりとした技術に裏打ちされたものを伝える
春の蔵でからすのはんこ押してゐる
【作者】飯島晴子
昨日、業界誌が届きました。
2月に実施された技能グランプリで厚生労働大臣賞に輝いた桜井優さん(長野)のことについて掲載されていました。
受賞の感想として最後に、こう述べられています。
「学んで身に着けたものを後進へ繋ぐこともグランプリ経験者に課せられたことだと思うので、今回の受賞を励みに精進していきたい。」
また南信州新聞には次のようにコメントされています。
「脱はんこの流れにあらがってなりわいを守るのは簡単ではないが、やはりはんこの文化、道具としてのはんこの大切さは伝えていきたい。しっかりとした技術に裏打ちされたものを伝える活動ができたら」
はんこ職人は、何を守り、何を伝えなければならないか・・・それをしっかりと持つことが、このご時世如何に大切かの解答をえたような気持ちにさせて頂けた。
印章という概念や、印章文化や制度を守るのではなく、「しっかりとした技術に裏打ちされたものを伝える」それに尽きるのではないでしょうか。
勿論、それがあってこそ、印章文化や制度を守るという行動に繋がります。
土台を守る、そして伝える・・・それでいいんじゃないかな・・・。
そこにはデジタルとの共存も電子印鑑もあり得ない、小手先の延命策が入り込めない世界だと私は強く思いました。
posted: 2021年 4月 6日