実印の性別?

20日の大寒を前にして、やはり暦というのは、適切にその時期を映し出しているようですね。
お寒うございます。
成人式が終わったこの寒い時期、受験、卒業とあわただしく日々を感じておられる方もおられるでしょうが、入学、進学、就職と暖かい春をむかえる準備期間です。
嘗ては、はんこ屋さんも、一年で一番忙しい時期が3月~4月にかけてでありました。
最近は違ってきているようですね。
それも価値観の多様化かなとも思いますが、昨年の当店は、予想外の7月が山場でありました。
嘗てのようには、時節も販売方法も様相が変わってきたように感じます。
社会の変化です。
その社会の変化に対して、はんこ屋経営者は、一生懸命に追いつこうとして奮闘されます。
そういう一生懸命のはんこ屋さんでも、男性実印や女性実印という表記の仕方をされているのを見て、いつも不思議に感じていました。
それより以前は、紳士実印と婦人実印。
もっと前は、実印は男が持つものとし、女性の実印を副印とか家庭印という表記をされていました。
男女平等が叫ばれて久しく、女性の社会的進出が著しく、また結婚されない女性も多い中、どうして実印を男性と女性に分けるのでしょうか?
不思議でたまりません。
ちなみに当店は、フルネームの場合は印面の大きさが15ミリ丸、姓名の名の方のみで彫刻を希望される方は、13,5ミリをお勧めしております。
女性実印は、男性よりも一回り小さい13,5ミリまるでというお話をよく聞きますが、13,5ミリ丸のなかに、フルネームを彫刻すると、大変せせこましく感じます。
嘗ては、婦人実印は12ミリでした。
そんな中に細かくは彫れますが、訂正印でも彫れるので、そのくらい普通の職人であれば、朝飯前ですが、お客様がご使用になられると、朱肉がつまりやすく、ぼて~っとした朱の塊のような、醜い印影となります。
実用と実用美の観点から、大きさにあった文字数から割り出すべきことかなと私は思います。
慣例や慣習とまでいかないのに、それを社会の変容に合わせ切れていない現実を印章業界に感じます。
いつまでも嘗てのはんこ屋さんにとっての良き時代ではありません。
改めるところは革新し、守るところは、その印章の本義にあると思います。
販売方法からの思考を止めて、社会とお客様目線を中心に思考することが必要かなともいます。

<消費者の皆様に、ワンポイントアドバイス!>
実印購入や贈り物にとお考えの方、フルネームの印面の大きさは、男女問わず、15ミリ丸が一番だと思います。
それより大きな16,5ミリ丸や18ミリ丸をお買い求めいただくご予算があるなら、印材をワンランクあげて頂いた方が賢明かと思います。
大きすぎる物は、印章も組織もその扱いに困りますね。

posted: 2017年 1月 18日