物の価値と社会の価値

この賞状、価値が上がるかな・・・?

物の価値を決定づけるにはいろいろな尺度や要素があると思います。
商品の価値が下がれば、値段の安いものが売りやすくなります。
そして、より安い商品を目指して、企業努力?をされるので、ますます商品の価値が下がっていきます。
その為には、その商品を構成している何かのコストを下げなければなりません。
それが技術としますと、技術力を落とさねばなりません。
その為には、その商品全体の在り方において、技術の水準を下げなければなりません。

そうして、どんどんと価値の下がったその商品を価値があるものですよ!といくら叫んでも、消費者は誰も見向きもしなくなり、社会から抹殺されて行きます。
商品価値とその中の技術水準を下げつくした人達は、我関せずに次の流行りを目指して経営努力されます。
その時には、一度滅びた技術の復活はあり得ないし、出てきたところで三文芝居となってしまうことだろうと想像します。

この賞状は、「なにわの名工」と呼ばれる技能の顕功彰です。
他県のそれと比べて貧弱です。
嘗ては、賞状と共に楯もついていました。
予算が削られたのでしょうが・・・
どんな組織や行政、国家においても、モノづくりをスローガンとしてのみとらえ、現場軽視をしていると、物の価値どころか社会の価値が下がっていく・・・国の価値もやがては下がる・・・そういう時代を迎えると想像します。

良き大阪、モノづくりを大切にして頂ける大阪となることを心より祈念いたします。

posted: 2019年 4月 8日