みんな違って当たり前

昨夜、『NHKスペシャル シリーズ 子どもの声なき声(2)「“不登校”44万人の衝撃」』を観ました。
不登校の一歩手前の「隠れ不登校」を加えると、44万人の子ども達が学校に行くことに苦しみを抱いている。
8人に一人というのは、驚くべき数字ですね。
もはや、学校教育は崩壊している・・・学校が子どもを教育する場ではなくなってしまった・・・のだと認識できた番組でした。

私も教育機関ではありませんが、職人を育てる技術講習会に講習生のときからすると30年近く(間5年の病休あり)携わって来ました。
いろんな人がいました。
自分は彫刻の仕事をしないけれど、ハンコができるまでのことを知っておいた方が良いと親に言われるので来た老舗のボンボン。
親父さんが急死したために、技術を身に着けたくて業界誌の募集を見て来たという他業界から転職された方。
手先が器用で、職人仕事にあこがれを持ち受講された素人さん。
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講師になって、教えていてもいろんな方がおられました。
課題をやって来ずに、自分は何故上達しないのかと頭で悩む人。
手先が器用で、すぐに呑み込み研究熱心で、展覧会や技術競技会の上位にすぐに入賞されるが、その後あきてしまったのか来なくなる人。
講師の言うことを聞かずに、腕が追いつかないのに上のみを見ている方。
不器用なのに一生懸命取り組み、コツコツとされる後発な方。(これ私)
印稿は上手に書かれるのに、彫刻すると別物を彫られる方。
何度言っても同じ誤りを繰り返される方。
自分は、分かっていると信じ切っているが腕は付いてきていない方。
ひたすら賞のみを目指される方。
講習会では静かなのに、後の飲み会で活躍される方。
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いろんな人がおられました。
いろんな人の個性が飛び交っていました。
覚えの早い方、遅い方
一人ひとりが違います。
同じ教え方では、理解できないことも多くあると思います。
画一的な指導というのは通用しない世界にいました。
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昨夜の番組の最後の方に、オランダの現場視察を紹介されていました。
そのオランダの学校に転校してきた子どもの言葉に納得しました。
「前の学校は、先生が常に怒っている。新し学校は、何でも自由にできる。」
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怒号が飛び交う教室で何が学べるのでしょうか?

追伸:講習会を卒業された方や途中でやめられた方のその後も割と見ています。
それもそれぞれですが、長く講習会に携わっていると、その後の在り方と講習生時代というのは、わりと似ているところがあるものです。
みんな元気に講習会で身に着けた技術を活かして仕事に励んでいただきたいと祈っています。

posted: 2019年 5月 31日