何が出来て、何が出来ないだろうか

一つぶの葡萄の甘さ死の重さ
【作者】稲垣 長

昨日、私より八つ年上の先輩の訃報を耳にしました。
我が業界の先輩で、昨年度の理事会で先輩は理事長で私は平でした。
20年前にも理事職を共にしていました。
その頃から、技術に関して意見が合わず、よく口喧嘩をしていました。
口喧嘩をして、二度と口をきいてやるかと思いながら、次の理事会の後には、一所に飲みに行き、また喧嘩をしていました。
昨年度も「そんな理事会の運営をするのなら、訴えてやる!」とまで私が暴言を吐いたことが悔やまれます。
喧嘩友達のような先輩に心よりご冥福をお祈り申し上げますとともに、生前のご無礼をお許しください。

私から見ても68というのは、若い死です。
死ということについて考えました。
私から、あと8年・・・
何が出来て、何が出来ないだろうか。

甕にできた小さなヒビから水がジワジワしみ出し、その傷が大きな穴になり、今!甕が割れようとする寸前です。
印章を取り巻く環境が、技術という一点から崩れ落ちようとしています。
決して、デジタル化推進という国や社会の在り方からでなく、技術への信頼という点で、地に落ちかけている印章の価値が、大きな傷口になって業界に猛省を迫っています。
我関せずと考えているなら、自らの思考能力の欠如を疑えばと思います。

そのことへ力を注げば、これまた忙しくなります。
そのことを予想していたので、自らの仕事を「技能」と違う観点から、技術をクローズアップしたいと考え、勉強に励もうとしていました。
ところが、予想より3年早く動き出しました。

あと8年で何ができるかな
両方は無理かも・・・。

posted: 2019年 10月 31日