和裁士さんの声

今私は、コロナ影響で、呉服業界の復活を待っていては生活が出来ないので離れることを決意し、アルバイト生活をすることにしました。
少なくともある仕事をこなしている仲間たちもいます。
私は、そんな仲間たちが大好きです。
大手の呉服屋さん、和裁士への扱いがぞんざいになって、上から話をしていませんか?
やってもないことを、わかったふりしていませんか?偏った知識で接客をしていませんか?
出来ることと出来ないことありますよ。
出来なくてはないことでも、おすすめ出来ないこともあります。
お客様のことを本当に考えるのであれば、お客様の御要望を全て聞いたあと、仕立てる側に確認して、お客様にその旨を伝えて下さい。
そして、それは1回で終わらないこともあることも念頭において、それもお客様にお話下さい。
反物も、直し物も、開いて、全て見ないとわからないものです。
初見の見積り程度のことで、完結ではありません。
それこそ、日本では普段着だった和装。
江戸時代くらいまでなら、女の人なら誰でも仕立てやお直し出来たかもです。
今は、着る人も少なくなれば、作れる人も少ないんですよ。
修行して、いろんな知識を身につけた和裁士がいるんです。
私も私の近い人たちも。
お客様が満足してくれる仕事をしたいと、常々思っています。
なので、和裁士の声を面倒くさがらず聞いてください。
お願い致しますm(。v_v。)m

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上の文章は、昨夜インスタグラムに掲載されていた和裁士の方の投稿を少し簡略化したものです。
何とも云えない、思いがこみあげてきました。
多くの人に伝えたいという和裁士さんのお断りを得て、掲載させていただきました。
モノづくりのあらゆる現場で、その技術が軽視され、職人仕事が後回しにされているのが現状です。
印章でもそうですが、ここでは具体的に述べることを控えておきます。
コロナにより延期になりましたがオリンピックを招致して、2025年には万博を開催しようとしている国の継承現場が疲弊しています。
いくら着物文化でおもてなし・・・といっても、着物を仕立てる人がいなくなれば、着物文化の本質は無くなっていき、形だけのものとなるでしょう。
ハンコ文化・・・いくらデジタル化もできますとアピールしても、印章そのものを作り出す職人がいなくなれば、それは絵空事。
もはや、このことも社会問題化していると私は思います。
そうして、大切なモノや事、人(継承者)が無くなっていくのです。
このことをwithコロナ社会は、どう答えてくれるのだろう。

posted: 2020年 6月 25日