はんこに彫るべき名を大切に

数ふ雁小さくちさくなりにけり

【作者】石川鐵男

 

はんこ屋さんの仕事は、はんこを彫ることです。

では、はんこは何を彫ってあるのでしょうか?

名前が彫ってあります。

人や会社、団体のお名前であります。

 

昨日、NHKの「ネーミングバラエティー日本人のおなまえっ!」に「亜厂」さんというお名前が紹介されました。

「あかり」さんと読みます。

「厂」は「がんだれ」です。

感じの部首の一部で、それそのものが漢字ではありません。

「厂」は「雁」(がん、かり)からきていますが、お名前の由来は、ご恩ある人の一部の漢字「原」さんの文字の一部を「かりた」というところからきているようです。

また、以前には同じく漢字に無い「笽」という文字を用いた「笽島」(そうけじま)さんというお名前も紹介されたことがあります。

日本人の名前は複雑で、漢字に無い文字であらわされていたり、同じ漢字でも「吉」と「」の字ように形状の違う物もあります。

だから、先祖よりのお名前を大事にするという慣習を多く含んで文化として成り立っています。

はんこは、そういうお名前を彫刻したもので、それを使用者が朱肉というインキではない永きに渡り残るもので捺すことにより、文化足らしめているのではないかと思います。

https://www4.nhk.or.jp/onamae/

 

posted: 2020年 10月 16日