コメントありがとうございます

今朝ブログを覗いてみると、「雷様と市江さんに怒られました」という記事に以下のコメントを頂きました。

「今朝出勤した際に机上に背ワニ革の印章ケースを置いていたところ年輩の方から、あれ、これ俺が30年前に父親から貰ったケースと同じだと言われ、これは◯◯市の印章ケース製作所で作ってもらいましたと伝えましたら、俺の父親もその◯◯市でわざわざ買ってきたと自慢してたよ、懐かしいな!と言っていました。印影が見事なもの、印章ケースでも手のこんだものは人の心に響きます。いくらしたの?と値段で言われることではなく、綺麗だね、立派だね、です。きちんと修行してきた方の作ったものは美しいです、しかしこのきちんと、が出来てない、または出来ていると勘違いする開運やモチーフを彫って一人前の顔をしている三流以下の人間が大半を占める業界自体が問題なのですが。」

私の返信です・・・

「いつもコメント有難うございます。

「きちんと」をきちんと褒められることって嬉しいものですね。

しかし、世の中きちんとしたものへの評価力が無くなってきています。

きちんとした職人がきちんとした仕事をして出来上がったきちんとした物を使用者がきちんと使用する・・・その流れを断ち切るのが、早く大量に、手仕事から遠くある位置から楽に儲けようという考え方です。

それらが三流以下なのかも知れませんが、印章業界の一員としての私には、それらが大半を占めるとお話になると大変厳しい言葉だと周りを見渡します。

きちんとした物を作るにはきちんとした修錬がいります。

それは、ノウハウ本の一夜漬けで眺める事が出来る代物ではなく、長い年月をかけて身につける教養です。

徒弟制度なき職人の継承現場をノウハウ本(自分さえ上手ければ良いという考え方を含む)にするのではなく、きちんとした職人道徳を習得できる場にするということです。

きちんとした技術は、それが可能です。

今、表面上に職人面をしている業界人に足らないのは、修練で培うはずのその職人道徳と言う教養です。

私として出来ることは、なんとしても少なくなった継承現場でのその教養の継承に尽力したく、また業界外からの視点を業界内に持ち込み、嘗ての徒弟制度がきちんとしていた頃の技術という在り方(日本的霊性)に復興を目指すことであります。」

posted: 2021年 6月 15日