印章を彫刻する人は・・・畏敬の念と後継への目線を
お寺のはんこ・・・宝珠宝印(本尊印)が出来ました。
今日、朱のべべ(着物)を着て、嫁いでいきます。
勿論、嫁ぎ先のお寺で性根を入れて頂き一人前です。
そして、参詣者のお手元にお札(ふだ)や朱印帳に分身を写し、信仰の対象となることでしょう。
何代もの住職様にご使用いただき、その後は将来の印人に道を示してもらいたい・・・父親の想いは大きいものです。
しかし、自分の彫刻が作品であるとか、即信仰の対象だということは、思っておりません。
常に畏敬の念をもち寺社印は製作されるべきであります。
私どもが作成する印章は、美術館や博物館に飾られるものではありません。
市井の人々が安心して使用できる道具であり、ある意味その人や家の宝、お寺にすると本尊様の次に大切なものとなります。
そういうものを作成する人は・・・
・プライドを持たねばなりません。
・と同時に権威主義であってはいけません。
・畏敬の念を持たねばなりません。
・常に研究心と向上心を胸に抱くべきです。
・自分よがりや我流に陥ることなく、先人から学ぶ姿勢を持つべきです。
ここまでは、よく言われることです。
あともう一つ、後継への目線を持つことです。
伝えなければ、自分自身もなくなります。
posted: 2014年 2月 21日