今さらながら印章とその業を想う

一昨日のニュースで、代々木ゼミナールが全国27校舎の7割を削減し、将来的にはホテル・観光業などを含めた不動産業への転換を図ろうとしているとの報道がありました。

二日酔いであったため・・・ボーっと聞き流しておりましたが、再度このことについて考えたいと思いました。

私も浪人時代を経験し、大阪の当時は大手予備校というところへ一応在籍しておりました。まあ、殆ど行きませんでしたが・・・亡きおかあちゃん、ゴメンなさい。

その予備校ももうありません。

少子化のためでしょうか・・・そんなん分かっていたことですね。

浪人の減少から現役の予備校の台頭

インターネットでの予備校の台頭・・・「いつやるのですか?今ですよ!」のところ

このことだけを考えても現代教育問題と流通問題や経済問題がごっちゃに絡み合っているところでしょう。

代ゼミが不動産業に行くことは商売的にはもう仕方なく正解なのかもわかりません。

商売替えが出来るということで思い出したことがあります。

もう大分前ですが、ハンコ職人仲間と当時のフランチャイズ店の台頭(今はもうそれもダメですが)について話をしていると、ある方が正解のような答えを出しました。

「あの人たちは、ハンコを扱わなくとも生計を立てられる人達

しかし、我々はこの道でしかおまんま(ごはん)を喰えない人なんだな。これが・・・」

今、ハンコ屋さんの様々な形態のモノがとりわけネットの世界で出てきています。

そのなかに、「あなたはまだ文字だけのハンコで満足していますか」というフレーズを見つけました。

いろんなハンコを並べています。

似顔絵ハンコ・猫の形やイラスト入り・・・これを新しいとみる同業もいるみたいですね。うん・・・・?

私はこの道でしかおまんまを喰えない人です。

だから正印を守りたい。

印章の本義を通したい。

上記のモノがダメと言っているのではありません。

趣味の印なら大賛成です。

とりわけ、消しゴムハンコは個性の溢れるものが多く、見るところが多いものです。

この状況は、亡きナンシー関さん(消しゴム版画作家)に見て頂きたいぐらいです。

いろんなハンコを並べている当てもん菓子屋(大阪言葉です。駄菓子やのこと)のような所の人は、それがダメになってもきっと不動産業も出来るでしょうし、印章という商材にこだわりがなく、ハンコをおもちゃのようにしたい人だと思います。

我々の啓発は印章とその文字とその高い技術と文化性です。

方向を間違わないようにと願うだけですが・・・。

それが時代おくれなら・・・印章は不用になるでしょうね。

私はこれ以上玩具になっていくハンコやはんこ・印鑑を見て、それに興じ、同調する者が同じ旗を挙げているモノならば、悲しいと感じます。

印章とその業を想い・・・

 

 

 

 

 

posted: 2014年 8月 27日