寒の水

ひとり居や 映るものなき 寒の水
前田普羅

昨日は、いつもの二日酔いのダウンではなく、疲れからのグロッキーでした。
週初めのご挨拶もできずに申し訳ございませんでした。
日曜日の技能検定の大阪会場は、ここ20年くらいの間では一番多い受検者数でした。
受検者も大変疲れたと思いますが、それまでの段取りや朝早くから夜遅くまでの採点や集計に時間が掛かりました。
気疲れと体力的な消耗は、年を重ねると、辛いものがあります。
昨夕、他の会場に携わっている人とメールでやり取りをしたのですが、事態は深刻だと思います。
全国的には、国からの指示であります100名の受検者には到底届かない受検者数です。
みなさんは、わりと楽観的に捉えているようですが、100名に達しなかったという現実と、今後休止対象職種になってしまうであろう事をもっと真剣に考えて具体的なる行動に移さないと、口を開けてまっているだけでは、技能検定すらできない業界という悲しき事態に直面していくことだろうと推測できます。
技術がもう駄目なのかというと、現場の様相は実はその逆かなと思います。
何故か分かりませんが、今まで技術など見向きもしなかった大手のハンコ屋さんが、そこに目を向ける傾向があります。
昨日も地方都市の某フランチャイズ組織に属している人から大阪の講習会に見学に行きたいというお電話を頂きました。
フォント使用の同型印の危険性高き商品やデザインとは名ばかりのパソコンのコピペや機能を利用した商品を扱っていたのでは、印章販売という商売が成り立たなくなってきている。
消費者は、印章業者がパソコンを扱う以上にパソコンで情報を得ているということだと私は推察しています。
きちんとした印章を作製しようとすると、パソコンフォントに飼いならされるのではなく、それをも利用したり活用したりしようとすると、きちんとした技術を身に着けなければ出来ないことであるということが、漸く浸透し始めたのかなとも考えられます。
国家検定である技能検定を続けていくためにも、まず来年に実施される彫刻ゴム印の技能検定を多くの受検者で成功させるためにも、その受検者を作る具体的なあらゆる手段を創造していくことだと思います。
その業界の公益的なる熱意が伝われば、事は少しでも前向きになれると思います。
全印協ホームページには、その講習会の募集を掲載していただきました。
振るってのご参加を心よりお待ち申しております。
http://www.inshou.or.jp/
古くから寒の時期に汲まれた「寒の水」は腐らないといわれてきました。
技術もそうやすやすと腐りません。
今から追い上げます。
必ず追い上げます。

posted: 2019年 1月 29日