基本をきちんと勉強しなさい

連続テレビ小説『スカーレット』のお話は、これから先の展開となる信楽焼という陶芸を作る女流作家に主人公の喜美子が成長していくことが柱となっています。
そう、モノづくりがテーマだと思います。
脚本家の水橋文美江さんは、あの名作『夏子の酒』を書いた方です。
その考え方、モノづくりの根本が、今日のお話のなかで、少し見えました。
やはり、こういう作り方をしていくのだと少し安心したシーンがありました。
普通の人なら気に留めないシーンなので、まだ見ていない人もお許しいただけると思います。

喜美子が入学予定の学校で、特別講師として招かれる世界的な芸術家・ジョージ富士川(西川貴教)のサイン会でのお話。
喜美子がサインをしてもらい、美術の勉強をすると知ったジョージ富士川は、「基本をきちんと勉強しなさい。基本は土台だから、土台のないものには自由も生まれない。」
パチパチパチ・・・同感です。

今や印章業界内外を問わず、印章の価値がどんどん低下していき、印章を必要とした全ての場面において、印章不要論が台頭しだしました。
少しずつ、印章が追いやられています。
土台無き印章が世を闊歩し、それを商機ととらえた輩が、それを利用して懐を温め、利用できなくなるとポイ捨てでも構わない、それより次の商機を探し求めています。
その末路が現在です。
印章の土台は技術です。
面白い顔をした印章に世を闊歩させたのは、誰でしょう?
印章が、モノづくりから切り離されて久しいですが、そのモノづくりから印章の存在意義を問われ、猛省を迫られています。
さあ!どうしますか。

これからの『スカーレット』の展開に期待しながら、業界人は考え直さないといけませんね。

posted: 2019年 11月 1日