縦の糸は私 横の糸も私

・・・
縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かを
暖めうるかもしれない
・・・
【作者】中島みゆき

連続テレビ小説『スカーレット』のお話から・・・
三津を弟子に取ることになった八郎さんと喜美子の間に、職人としての違いが生じ始めました。
「新しいものを取り入れて進んでいく為には、古いモノは壊さなあかん」という喜美子に対して、作陶している地から取れた土や物にこだわる八郎さん。
八郎「違うんや!喜美子と僕は人間が違うんや」・・・

職人視点で、二つの事が言えると思います。
一つは、職人は各々の違いを認めて容認することが、めちゃくちゃ下手くそです。
それぞれの思考を否定してしまいがちです。
ですので、同じモノづくりの同じ職でも、それぞれの考え方の違いで流派や好みが違ってきます。
もうひとつは、職人は自分中心だということです。
自らの世界観があります。
先に挙げた中島みゆきさんの「糸」という歌詞
縦の糸はあなた 横の糸は私・・・ですが、
職人の場合は、チト違います。
縦の糸は私 横の糸も私
織りなす布は、すべて私でなければ、作品は完成しないのです。
そこに他人が入る余地はなく、仕事においては譲れないものを持っているのが、それが職人であるともいえるのかもしれません。

ましてや、八郎と喜美子の場合は職人同士です。
仕事に夫婦間の影響がでると、たぶん衝突の繰り返しだろうと思います。
他人だから我慢できるのです。
他人でも仲間内なら、自分の主張を押し付けられると、職人同士での喧嘩が起きます。
さあ、これからの展開が楽しみですね。

posted: 2020年 1月 10日