最近、危惧すること

職人の腕が見えるお店が、きちんとした印章を提供出来るお店
嘗ては、技能士でなくても上手なハンコ屋さんがおられた。
極端な話、遠い昔には、文字が読めない印章彫刻職人もおられたと聞いたことがあります。
しかし今それらの職人さんは、いないか高齢で現役ではありません。
技能士資格がなければできない商売ではありませんが、技能士資格を持たない職人は現在では見受けられません。
(ここにいるよ!という人は、業界人なら技能検定を受けてくださいね。)

職人のお店や「手仕上げ」を名乗られているところで、技能士を有していないお店は、きちんとした印章を製作できない所と言って過言ではありません。
(おりますよ!という方は、令和3年度後期技能検定を受けてくださいね。)
国は、技能士の存在で印章業の在り方を価値判断の基準として捉えるために、技能士資格のデーターベース化を模索しています。
国にとっての印章業者の数は、けっしてコンピューターの彫刻機の数でなく、技能士の数なのです。
業界のあらゆる組織より、そのデーターを持っております。
業界の組織は、そこには力を傾注してこなかったために、また軽視してきたために、全容を把握していません。
技能検定は、受検者の個人情報から受検年月日、合格日まで全てのデーターを国が職業能力開発促進法の下に保管されています。
全国の職業能力開発協会を通じてデーターを共有しております。
データーベース化はいとも簡単です。

もうそういう状況ですね。
しかし、その技能士という継承者をつくる技能検定が廃止になる可能性が大きくなるというか、コロナ禍で仕方がない論調に押され、何もしなければ検定を手放すことになるのは必至です。
とても今の状況下で、令和3年度後期での全国120名の受検者数は不可能です。
しかし、方法はあるはずです。
国が技能士資格をデーターベース化するのは、技能士を優遇するためではありません。
技能検定を廃止にして、技能士の高齢化による技能士数の減少=唯一無二の論拠の一つである職人の消滅=印章業界の自然消滅=印章の消滅をねらっていると言えます。
今!命が大切だから、仕方がないので何もしないは技術放棄に繋がります。
何もしないと何も起こりません。
いや、退行といえます。
ステイホームでもできることはあるはずです。
会議や飲み会は、ネットを通じて工夫をされるのに、どうして技術継承については放置や中止を当たり前とするのでしょうか!
何故、意識が何もしないに行くのか・・・
何らかの方法を探るという努力が今こそ求められています。
売名行為で商魂たくましい方法も見受けられます。
コロナ禍は、いろんな在り様を浮き彫りにしてくれます。
ご注意を!

posted: 2020年 4月 16日