此の一つ

なにもかも此の一つにかける
生き甲斐

河井寛次郎『いのちの窓』より

大印技術講習会がコロナの影響で休講の為に、通信添削を講師の先生方にお願いして、その纏めを昨日していました。
朝、店に行き、余裕だと他事をしていました。
気が付けば、11時前なので、急いで自分の分の添削に取り掛かりました。
あれもこれもと考えながら添削をしていると、気が付けば、お昼を過ぎていました。
いそいで3時過ぎの昼食のサッポロ一番を食べて、纏めに入りました。
甘かったです。
これも結構時間が掛かります。
7時を過ぎて、漸く木口の一覧が纏まりました。
篆刻の方は、担当講師の方が大まか纏めてくださっていたので、何とかなるのですが、発送準備を考えると、明日に持ち越そうと決断しました。
若い頃は、技術の事では徹夜もできました。
今は、次の日の仕事に差し支えますし、それだけの持続力が無くなりつつあります。
添削をしていて思ったのですが、通常の講習会では口頭で伝えていたのですが、図解や文字にして伝えると、どうすれば上手く伝わるか、自分が間違っていないかなどを考え直すので、自らの技術が問われているようにも感じます。
後継に伝えるとは、自らをも鍛え直すチャンスなのです。
こんなに美味しいことを
どうしてみんな嫌がるのだろう?
伝えないと自分が成り立たなくなるということが、再度理解できた昨日でした。
有難うございました。
冒頭の河井寛次郎の言葉は、昨日ご紹介致しました「助からないと思っても 助かって居る」という言葉の次のページにあった言葉です。
自分の技術の向上ばかりが「此の一つ」ではありません。
「此の一つ」には、結構重たいものがのしかかっています。

posted: 2020年 5月 25日