重要な契約には職人の手による印章を備えましょう!
草々の呼びかはしつつ枯れてゆく
【作者】相生垣瓜人
先日、特別国際種事業者登録の更新を致しました。
それは、象牙材を扱う業者としての登録更新です。
パソコン画面から登録申請用紙に登録内容を書き込み、プリントアウトして、認印を捺印して郵送すると、新たな登録番号を頂けるというものです。
ここには、認印が必要でした。
また、新たな仕事の関係上、特許庁に申請をしたのですが、それにも認印を求められました。
お店のお客さんですが、猟銃所持の申請更新手続きに、認印を忘れられたので、既製の認印をご購入下さいました。
それらの認印が来年には法律を変えてまでも廃止になります。
今現在は必要なので、それらの手続きには認印は求められます。
印章店に購入に来られるお客様が、来年春から無くなるということです。
99%以上の押印廃止となるので、今までの押印機会が一挙に無くなります。
無くなると、おそらく規制の認印はゴミとなる事だろうと予測します。
卒業記念にもらった認印もあまり活躍しなくなります。
業界団体の政府への働きかけにより、【実印や銀行印など重要な契約に使用する印章は今後も変わらず必要です】という回答を明白にすることが出来ました。
お蔭様で、実印と銀行印のご注文が現在増えてきました。
有難うございます。
しかしながら、使用者の立場に立てば、重要な契約は日常茶飯事ではなく、めったに捺すことの無い重要な印章となります。
来春より印章需要は明らかに激減することと思います。
そして、その重要印章をオモチャのようなパソコン印章やフォント印章で作製していたのでは、重要という言葉が、将来的には瑣末という言葉に置き換わらないように作製現場への規範とモラルの在り方をしっかりと徹底して頂きたいと希望致します。
それは、今回の押印廃止を引き起こした土壌がコロナ禍という問題だけでなく、印章業界の製作現場にあり、価値無き印章の大量生産をしてきたつけであるということを再認識する必要があるという事です。
そうしないと、いずれは実印や銀行印も同じ道をたどる危険性が潜んでいる、いや今も進行していると言って過言ではありません。
http://www.inshou.or.jp/inshou/common/pdf/2020datsuhanko.pdf
この公益社団法人全日本印章業協会の「脱ハンコについて」というアピールに、私としては付け加えたいことがあります。
それは・・・
【実印や銀行印など重要な契約に使用する印章は今後も変わらず必要です。そのご依頼は、きちんとした職人の手づくりの印章店へ】
posted: 2020年 11月 25日